ウッドロングエコという木材保護剤の色味が好きで、この材料を使って木材への新しい着色方法を見いだせないかと、仕事の合間を縫ってサンプル制作をしています。ウッドロングエコには酸化鉄が含まれていて、木材に含まれるタンニンと反応して黒く変色するという原理のようで、この原理を生かして、タンニンを含む柿渋と組み合わせてみたらどうなるかを実験してみました。

写真左上がウッドロングエコを2回塗り。右下が1回目に柿渋を塗布した後ウッドロングエコを塗っています。ウッドロングエコのみの方は少し青っぽい表情なのですが、柿渋の方は少し赤みを帯びたグレー色になりました。柿渋のタンニンに反応しているため、ウッドロングエコのみと比べると木目が少し消えてしまいますが、黒の変色が良く出ているように思います。なかなか面白いので、どこかで使えそうな現場があればいいのですが。
どちらの方法にしても、赤身と白身では反応が全然違うので、基本的には赤身の材に使うことが良いと思います。今回は杉で実験してみましたが、他の樹種でも試してみたいと思います。