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基準法のチェック

建築のデザインとそれ以外のデザインで大きく違うところは、法令の有無かと思います。住宅の設計やマンションのリノベーションといった小規模な設計では、該当する法令がさほどなく、デザインを考える上であまりハードルが高くありません。と言いながらも、建物の構造が適切に計画されているか、採光、換気、排煙などに対して有効な開口部が計画されているかなど、確認しなければいけないものがたくさんあります。不特定多数の人々が利用する特殊建築物、建物の規模が大きな建物になりますと、該当する法令が莫大に増えます。建築のデザインは、デザインを考えると同時に、安全性を確認することにとても労力を費やすジャンルであり、もしかするとほとんどがその確認に時間がかかっていると言っても過言ではないかも知れません。


当社では、計画建物がどんな法令に該当してくるのかを、計画初期段階で確認できるツールとして、オリジナルの法チェック表を使用しています。エクセルで作成したデータになりますが、面積や建物の階数などの建物の規模に加えて、用途地域や建物の用途、建物の構造種別が何であるかを入力すると、自動で該当する法令にチェックが入るような仕組みになっています(下写真)。各法令に対して計算式を作成し、該当するものには■が表示されます。このデータを作成してから、法令集を開いて自己チェックもするのですが、随分と確認作業に費やしていた時間が減ったように思います。


最近ではBIMと言って、数値入力と簡単な作図によって3Dとしてデータを作ることができ、図面の作図効率が上がったように思います。住宅専用のCADになりますと、ある程度のデータを入力すると、それだけで主要な図面が作成でき、各部材の数量も算出できるような神のようなツールもあります。ただ、全てが自動化によって作られるため、デザイン的に優れているかというのはまた別問題であります。ハイテクなものを使いながら、良い建物を見たり、模型を作って検討することも必要だと思います。


便利なツールを使う理由として、必要な労力を減らすだけなのか、労力を減らした分違うところにその労力を当て優れたものを生み出すのか、理由は様々かと思いますが、便利なツールはどんどん採用し、より質の高くする作業時間を確保したいですね。


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