延焼のおそれのある部分

Momo hut は、既存の小屋を建て替える計画でしたが、敷地内には既に6棟の建物が存在し、


延面積が500㎡を超えてくることで、新たに隣棟延焼が発生してしまう問題がありました。




延焼とは、隣地や道路で発生した火災の影響を受ける範囲として定められているもので、


1階では境界から敷地内3mの範囲(道路は道路の中心から3m)が延焼のおそれのある部分として、


地域によって一定の防火性能を満たす必要があります。


敷地内に複数棟建物がある場合で、合計の床面積が500㎡を超える場合は、


500㎡を超えないようグルーピングし、その建物間の中心に境界線があると仮定して、


延焼の恐れのある部分を設定しなくてはいけません。


計画場所は、建物の大部分が延焼のおそれの範囲内に該当することから、


防火壁の施工面積を減らすことでコストを抑えることを考えました。


一方で、作業の大半は軒下空間になることから、


多少の雨でも問題なく作業ができることが求められました。




Momo hut は、半屋外の作業スペースと室内の倉庫に分かれていますが、


延焼のおそれの範囲をかわしている壁は半透明の波板を採用し、


室内側へ採光を確保しつつ、互いの様子が感じられるようにしました。


防火仕様となる壁は小波の形状を統一させ、金属製の波板とフレキシブルボード等の


組み合わせにより準防火性能を確保しています。


屋根は変則的な寄棟の形状とし、準防火性能の外壁面積を減らすと同時に、


帽子を被ったような愛らしいフォルムとしました。


軒の出を確保する工夫として、垂木のサイズを大きくせず、


梁のはね出しと合わせて垂木成以上の出を確保しました。


小屋という簡素な建物ではありますが、素朴な材料を使いながらも、


合理的に作るだけではない小屋の在り方を今回試みました。