改修は、新築設計とは異なる難しさがあります。マンションとは違い、特に戸建住宅(特に木造)になりますと、柱やそれを受ける土台、また梁といった建物の構造的に重要な部分が腐食しているケースがあり、インテリアだけで解決できるほど、やさしい改修になることはほとんどありません。
既存の状態を把握し、今後も住まい手が安心して暮らせるように修繕しながら、より良い暮らしのための形を既存の形や状態から改修していきます。
私自身もそうですが、いわゆる「実家問題」ということがありまして、古い実家を将来的にどうするかといった課題がよくあると思います。通常であれば、建物の新築や増築といった行為の場合には確認申請という建築許可を受ける必要があるのですが、古い建物ですと建築許可をとっていない、又はその資料が残っていないケースがほとんどです。また、現行の建築基準法に適合していない既存不適格建物であることも多いです。さらに、断熱性能も乏しいことが多いため、断熱材の施工やサッシの取り替えといった外部周りの工事の必要性もあります。
特殊な事情がない限り、新たに建て替えることが手っ取り早いですが、大きな家ですと壊すこともなかなか大変な手間と費用がかかります。場合によっては新築並み、それ以上に費用がかかるケースもありますので、それらの判断と希望に見合う設計内容にすることが主な作業になります。
現在、宮城県内にて戸建住宅の改修計画が進んでいます。来年の春の完成を目指し、計画をつめていきます。