現在、宮城県石巻市において戸建住宅リノベーションの計画を行なっています。来月を目処に工事がスタート、来年3月の完成を目指し、現在設計の終盤戦です。独立して初めて依頼していただいた案件になりますので、内容的にも、大きな意味を持つプロジェクトになると思います。規模が大きいことに加えて、築年数が相当経過している木造の住宅になりますので、屋根や床など傷んでいる箇所も散見され、建物の補修を行いながら新しい住まいに変えていくという、これまでで一番難関なリノベーションだと思われます。ですが、それと同じくらいやりがいがあるプロジェクトでもあります。
居間には、ケヤキの差し鴨居という部材が使われています。差し鴨居とは、鴨居の溝加工がされた状態の梁で、構造材であるとともに造作材を兼ねています。通常であれば、建て方完了後に、雨仕舞いのため屋根の工事、サッシ、外壁と外側から工事を行なっていった後に鴨居等の内部造作に入っていくのですが、屋根がかかっていない建て方の時点で鴨居をつけてしまうということですから、雨がかからないことや傷に対する養生への手間が相当にかかっていたと思われます。また、建物の水平垂直の精度もかなり求められたと思います。石膏ボードで全て包んでしまい、既存を覆い隠す方が手間が少なく、工事費も抑えられるのですが、素晴らしい部材が各所に使用されていますので、お希望の雰囲気と費用感を調整しながらプランニングが今回の最大のポイントになっています。
来月から解体工事を行なっていく予定で、工事の様子をブログやSNSでお伝えできるかと思います。
