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SAKE hut が竣工しました。

宮城県川崎町で工事を進めていた木造倉庫が先日完成しました。



幅3.5間、奥行き11間、天井高さが4.5mほどの平屋の倉庫で、柱の細長比や積雪荷重を考慮し、120角の柱を採用しています。計画に関して特に大変だったのは建物自体の計画ではなく建築可能範囲の設定で、敷地内に複数棟建っており、周辺の建物に新たに防火規定が発生しないように6m以上の離れを確保し延焼の恐れのある部分を回避しつつ、ギリギリいっぱいまで建築を計画することが求められました。倉庫ということで、採光や換気などの建築基準法上のしばりはほぼなく、構造的な安全性の担保とコストを抑えることが重要でした。今回の計画で1つ学んだのは、屋根を支える方杖は外壁には当たらないということ。雨仕舞いのため外壁と同じ仕上げとしていますが、あくまでも雨避けのものということで、外壁としては取り扱われませんでした。




プランは、中央にフォークリフトの動線幅を確保した上で、両サイドにパレットを置けるとてもシンプルな作りとなっています。耐力壁はパレットの大きさに合わせて1.365mの長さを対で配置することでバランスを担保しました。建材全般ですが、構造用合板は特に値上げが著しいこともあり、筋交を用いて耐力壁を構成しています。


この建物の最も特徴的な要素である外壁は、ポリカーボネート製の波板で、シャッターを除く全周囲から採光を確保することができます。光がなるべく入るように、筋交はたすき掛けとせず、耐力が足りない部分は片筋交をダブルに配置することで強度を担保しています。外壁を納めるための間柱や胴縁が仕上げとして見えてくることから、枡状に見えるようにピッチを設定しています。




完成した時期は紅葉が美しい季節で、フロストした波板が景色をぼかすことで直接見ることの心地良さとは違う表情を内部空間にもたらしてくれます。建物高さが高く波板1枚で下から上まで張ることはできずどうしても継ぎ目が発生してしまうのですが、胴縁の見付けの中で重ねて張ることで横の継ぎ目が内部から見えないような工夫をしています。





使い始まれば、おそらく荷物が天井いっぱいまで積み上がってしまい、このガランドウの空間を楽しめるのは竣工写真を撮ったこの一瞬だけかと想像します。荷物をしまうために作った建物なので、何も入れないでくださいとは言えません笑


合理的に作ることが全てと言っても過言ではない倉庫建築に対して、意匠設計ができることは何か、そんなことを考えながらデザインした建物です。



設計:亀岡建築アトリエ

施工:株式会社 仙臺屋

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