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雑誌掲載のお知らせ「近代建築 2024年8月号」

当アトリエが手がけたやまつみ保育園が、近代建築の2024年8月号に掲載されました。毎年保育建築の特集がくまれており、各地の保育建築が掲載されています。


近代建築は割と専門性の高い雑誌で、一般の方が見る機会は少ないと思いますが、一般の方でもわかりやすい言葉や表現で執筆することを心がけました。SNS等では載せていない図面も一部掲載されております。書店等でお見かけの際にご覧いただけたら幸いです。








■近代建築社





---以下掲載設計趣旨---

「やまつみ保育園」は、0歳児から5歳児まで約60名のこどもたちを預かる民設民営の保育所である。塩竈市内にある小規模保育園「わだつみ保育園」の姉妹園で、山に登り、時には島へ、塩竈を舞台に自然の中で過ごすことや外遊びを中心に、「こどもたちがずっと遊び続けられる園舎でありたい」という想いを持つ園に相応しい建築を目指した。
未満児に加えて、以上児が加わることになるやまつみ保育園では、未満児と以上児の活動量の違いに配慮しながら、こどもたちがどこからでも外に駆けだしていけるような外部との関係を意識したデザイン、また、将来的にこども園への移行を想定されていることもあり、広い敷地を活かして保育室を全て1階に計画した平面的な構成を主としている。
コの字型の平面は、南側の未満児棟、北側の以上児棟、その2つをつなぐ遊戯棟によって構成されており、敷地形状に沿って未満児棟を15度外側に振ることで、西側の環境に開放性を帯びた内庭をつくりだしている。内庭は、未満児と以上児を棲み分けするバッファーと異年齢同士の交流を育むコミュニティスペースが同時に機能する。保育室間にはエントランスを兼ねた手洗い室を配置し、水回り設備の合理化を図るとともに、保育室同士のバッファー空間として機能させている。屋根勾配成りの天井の高い保育室からバッファー空間、そして次の保育室へ、スケールや仕上げが交互に変化しながら、常に内庭と隣接し、その向こう側にある風景が垣間見える空間を内外部共に試みた建築である。 
やまつみ保育園はコンセプチュアルな造形ではあるものの、こどもたちのアクティビティや保育としての機能を素直に敷地に落とし込んでいった末に生み出された建築である。どこにいてもお互いの様子をなんとなく感じることができる。みんなと遊んだり、中でゆっくりしたり、大人たちとこどもたちが居場所を自由に選択して、それぞれの楽しい時間を過ごして欲しいと願う。

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