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SAKE HUT
宮城県柴田郡川崎町/倉庫/新築工事
PURPOSE OF DESIGN
設計趣旨
宮城県川崎町にある日本酒醸造所の敷地内には、製造工場を中心とする建物が複数棟建ち並んでいる。SAKE hutと名付けたこの建物は、敷地内に残された最奥の場所に建設したパレットやプラスチックのケースといった資材保管のための木造の倉庫である。倉庫であることに加えて、保管するものは特別気を使う資材ではないため、雨風を凌げる最小限の機能を満たすシンプルな建築である。
計画地は、受変電設備をかわし、既存建物に隣棟延焼を発生させない最大限の範囲で計画している。幅6m強、奥行き20m強のアウトラインの中で、フォークリフトの通路幅とパレットサイズを考慮した合理的なスパン割により内部の耐力壁が構成されている。合板価格の高騰を考慮して耐力壁は全て筋交で構成され、半透明のポリカーボネート製の波板とすることで、外壁から内部への採光を獲得できるようにしている。波板の下地となる横胴縁や間柱は、風圧や積雪を考慮して303ピッチとして強度を上げつつ綺麗な枡状に配列し意匠性を兼ねた。筋交に関しても、片筋交を外壁全体にバランス良く分散させながら、壁倍率が必要な内側の耐力壁についてもダブルの片筋交を対となるように配置することで空間を遮るものを極力減らし、視覚的な広がりを考慮している。
倉庫としてあっという間に資材が山積みになってしまうと思われるが、半透明の外壁が紅葉する木々の表情を全方位に感じる「がらんどう」の空間が気に入っている。冬には白、春には若葉の色が半透明外壁のフィルターを通して、内部に四季の風景を感じさせてくれる。資材を運び入れる一瞬でも、その風景を感じてくれたら嬉しい。
REPORT
工事の様子
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